大型犬にウェットタイプのフードを常用している場合、成長の妨げになる可能性があります。
大型犬はかつて、運搬犬や狩猟犬、あるいは牧場犬として活用されていた歴史があり今でも活躍していることもあります。これらの犬は、力が大変強いです。
なぜ強いかといいますと、体形が大きいだけでなく骨格や筋肉が発達するように改良を重ねてきた結果であるといえます。
ですので、大型犬の成長には骨格や筋肉の成長が不可欠なのです。
「ウェットタイプのドッグフードでも、肉の比率が大きい物では問題がないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。
犬の筋肉や骨格の中でももっとも重要なのが「首」です。この首付近の筋肉や骨格はバランスを保つのにも重要な役割を果たすのですが、これらを発達させるためには噛む力を鍛えることが重要なのです。
ですので、やわらかいウェットタイプのフードだと噛む力を鍛えることが出来ないため、大型犬にとっては成長の妨げになってしまうのです。
そして、ウエットタイプは無添加の物がかなり少ないです。
理由の一つが、ウェットタイプが持つ水気にあります。
この水気は、単に水分を含ませているだけではありません。コレは「増粘材」と呼ばれる添加物によって粘度を保っているため、水分が保たれているのです。
この増粘材は化学成分由来のものがほとんどであるため、オーガニックのフードでウェットタイプの物を探すとなると結構苦労します。
そしてもう一つの理由が、保存料が含まれているという点です。
ウェットタイプはドライドッグフードと比べると保存が難しいです。ですので、品質を保つためには保存料は不可欠なのです。特に缶詰ドッグフードは長期保存を目的としているため、殆どの物に保存料が使用されています。
そして、ウェットタイプのドッグフードはドライドッグフードよりも水分量が多いので下痢になるリスクが高まるという点があります。
特に夏は、犬も人間と同じように多くの水を飲む傾向にあります。ドライドッグフードであれば水分がないため、多少水を飲みすぎたとしてもさほど問題はありません。
しかし、ウェットタイプの場合は水分が多く含まれているものもあります。例えば、レトルトタイプや缶詰タイプです。
ですので、これらを夏に与える場合には水の量も注意する必要が出てきます。
いつもどおりに水を摂取した上でウェットタイプのフードを与えていると、水分過多になり下痢になってしまう可能性があるのです。
かといって、気をつけすぎた結果脱水症状になってしまうということも考えられます。
ですので、比較的健康状態が良い犬であるならば、夏場はウエットタイプのフードを避けた方が良いといえるでしょう。
先述のように、ウェットタイプのフードは腐敗が進みやすいです。
どのフードにもいえることですが、一度開封すると少量ではありますが雑菌が入ってきます。
この雑菌が増殖するにも水分が必要なので、ドライタイプであれば増殖の審判は殆どありません。
しかし、ウェットタイプの場合は違います。
水分を多く含んでいるウェットタイプのフードは、雑菌にとっては好都合な環境なのです。
ですので、余ったからと常温で放置していると、夏場であればほんの3時間程度で腐敗してしまう危険性があります。ですので、出来れば余らせない程度の大きさの物を購入するか、余ってしまった場合はジップロックなどで密閉させた上で冷蔵庫に保管すると良いでしょう。
そして、ウェットタイプのドッグフードは消化がかなり早いです。何故かといいますと、やわらかい上に肉食動物にとっては消化に良い肉の比率が大きいからです。
もちろん、肉の比率が大きいということは犬にとって大変体に良いフードといえます。しかし、ドライタイプと違いウェットタイプは人間で言うところの「おかゆ」のようにやわらかく消化に良い物です。
ですので常用しているとすぐに消化し、オヤツを求めるようになってしまいます。
そのため肥満に繋がる恐れもあるのです。