愛犬が病気でもないのに毛艶が悪い、毛並みが悪いと感じたら、ドッグフードを変えてみるのも一つの方法です。
犬は、体面積に対する皮膚の面積の割合が高く、体重の約15〜20%を占めるといわれています。新陳代謝によって約21日周期で新しい皮膚に入れ替わり、被毛も季節ごとに生え変わります。しかも、1本の主毛オーバーコートと複数の副毛アンダーコートからなっています。犬が人間の約4倍もの多くのタンパク質を必要とする理由の一つです。
皮膚の角質や被毛はたんぱく質から生成されるケラチンから作られていますので、良質なタンパク質を食事からたくさん摂る必要があります。タンパク質が身体を作り、活動のエネルギーとなり、皮膚や被毛になるのですから、不足しては健康も美しい毛並みもありません。愛犬に適した充分なタンパク質を含むドッグフードを選ばなければなりません。
皮膚や被毛の美しさにはオメガ3系、オメガ6系の不飽和脂肪酸も有用な成分です。とくに、青魚に多く含まれる成分DHAとEPAは、血栓や中性脂肪を排出し、血流促進、アレルギー予防などの効果があります。ただし、酸化しやすいものですから、ビタミンCやE、ベータカロチンと一緒に摂ると効果が高まります。ビタミンCには、細胞間をつなぎ合わせるコラーゲンを合成する働きがあり、ビタミンEは、抗酸化作用でDHAやEPAの酸化を防ぎ、身体自体の老化防止の役割も果たします。ベータカロチンは体内ではビタミンAに変わりますが、皮膚や粘膜の健康維持や免疫力を高める作用があります。オメガ6系のリノール酸も細胞を守り活性化する働きがありますので、皮膚や被毛のダメージを治し、潤いを与えます。
良質のタンパク質や皮膚や被毛の健康に良い成分を配合したドッグフードを与えることも大切ですが、ブラッシングしてあげることも大切です。古い皮膚や被毛を落とし、新しい皮膚に刺激を与え血行を良くし、新たな被毛を整えてあげることも、美しい毛並みには必要なことです。