動物性栄養素が多いドッグフードとは、肉食動物に必要な動物性タンパク質を多く含んだドッグフードということです。犬は肉食性雑食ということで、肉食に近い特性がありますので、動物性タンパク質は重要な栄養素です。骨や筋肉、内臓、皮膚、血液など、身体を構成する材料となり、エネルギー源ともなっています。
犬は人間の約4倍のタンパク質が必要といわれています。タンパク質には植物性のタンパク質もあり、消化性の高いものは動物性タンパク質にも匹敵するほどです。
しかし、犬に必要な栄養素面からみると、不足する部分があります。そのため、動物性タンパク質を多く取り入れるほうが効率的に吸収できるのです。その栄養素が、10種類の必須アミノ酸です。
タンパク質を構成するアミノ酸20種類のうち、体内で構成することのできないアミノ酸10種類を動物性栄養素が多いドッグフードから取り入れます。これらのアミノ酸を様々に組み合わせることにより筋肉や皮膚、血液など身体の細胞を作ったり、エネルギーとなっています。
タンパク質は、成長や健康の維持に欠かせない栄養素です。年齢にかかわらず、摂取することが必要とされています。身体の細胞を作り新陳代謝を促進し、筋肉の成長や維持、高齢になってからも筋肉の減少を抑制する効果があります。皮膚や被毛を構成する成分ですから、健康と美しさを保つ作用があります。
ですから、動物性栄養素が多いドッグフードは、犬が必要とする栄養素を効率的に補充してくれるのです。
しかし、気を付ける点もいくつかあります。
動物性タンパク質を過剰に摂取すると、脂肪となって体に蓄積され肥満となり、腎臓への負担ともなります。
逆に不足すると、成長障害や、食欲不振、皮膚や被毛も傷み、艶がなくなります。また、腎臓病や尿毒症では、腎臓への負担の軽減と症状の改善のため、重度の肝臓病では、高アンモニア血症や腹水の原因となるアンモニアの発生を抑えるため、タンパク質は制限されます。
動物性栄養素が多いドッグフードには多くの利点がありますが、適量を守り、他のフードと組み合わせ、食べ過ぎないように心がけた方がいいでしょう。