ドッグフードの中には「与え続けるだけでフンやおしっこのニオイが抑えられる」効果を持つとされている物がいくつかあります。
お茶の葉エキスや柿渋エキスなどの消臭効果をもつ天然由来成分が配合されており、それらの成分の働きによりニオイが抑えられるというものですが、効果には疑問が持たれているのも事実です。
中には、具体的にどのような消臭成分なのかがわからないものもあります。
たとえば「天然消臭成分」とだけ記載されている物には、カテキンによる除菌・消臭効果があるとされるお茶の葉や、柿渋タンニンによる殺菌・消臭効果がある柿の葉など消臭効果を持つ植物などから抽出された成分であるかどうかすら判断できません。
しかし、これらの成分が排泄後に効果を発揮できているのかどうかははっきりとわからないのが実情です。
これらの成分は一度体内を通り、消化されているので排泄後に消臭効果を発揮できるのかは疑わしいのです。
(もちろん中には効果的な物もあります)
ただ、ニオイを抑える効果をもつドッグフードは確かに存在します。
それらは、消臭成分によってニオイをおさえるというよりは、体内の環境を整え、便の状態を理想的なものに近づけることでニオイを抑えようとしているといえます。
乳酸菌やオリゴ糖など、腸内環境を整える働きがある成分が配合されている物は、消臭効果があるとうたっていなくても、ニオイを抑える効果が期待できます。
柔らかい未消化が多い便はやはりニオイが出ますし、硬すぎる便は犬の身体にも負担になります。
体内環境を整える成分が、ある意味消臭成分ともいえるのです。
もちろん、特殊な加工によってお茶の葉などの消臭成分が有効に効果を発揮するものもあります。
犬用のおやつによく使用されているサツマイモも整腸作用があり、腸内環境を整える事で正常な便の排出をたすけ、結果としてニオイが抑えられます。
このように、消臭成分が配合されているドッグフードは沢山ありますが、それらが安全であるか、効果は確かにあるのかどうかは慎重にチェックする必要があるのです。