小型犬用のドッグフードは小さい粒のものが多く、その理由は二つあります。
一つ目の理由は、小型犬の口の大きさや力に合わせているという点です。小型犬は口が小さく、そして顎や歯の力が弱いです。ですので大粒なドライドッグフードは食べ辛く、歯の健康にも悪いのです。
そして二つ目の理由が、食事量です。
小型犬は中型犬や大型犬に比べると食事量が少ないです。そのため、少量の食事で栄養バランスを整える必要があります。
大粒の場合は物によっては一粒に含まれている品目が多かったり少なかったりします。しかしそれを食べる大型犬は食事量も多いのでさほど問題は無いのです。
ですが小型犬は食事量が少ないため、小型犬に大粒のフードを与えてしまうと栄養バランスが崩れてしまう恐れがあるのです。
小型犬用のフードは、セミドライやレトルトのようなやわらかいタイプが多いです。
その理由としては先述の口の力が弱いという点と、消化機能も大型犬に比べて低いという点があります。硬いドライドッグフードを小型犬に与えた場合、殆ど噛み砕くことが出来ずに胃へ運ばれる事になります。すると、胃の消化機能も低いため殆ど症かされません。そうなってしまうとそのまま排泄されるか、あるいは体内に残ってしまい下痢や便秘の原因になってしまいます。
しかし、やわらかいタイプのフードであれば簡単に咀嚼することが出来るので丸のみされるという心配はありません。そして咀嚼されているためきちんと消化されます。
ですので、犬の健康状態を守るという点においても小型犬用のドッグフードにはやわらかい物が多いのです。
大型犬のドッグフードには、ドライタイプのものが多いです。
大型犬はかつて、運搬犬や狩猟犬として活躍していた歴史があります。そのため運動量が非常に多く、骨格や筋肉も発達しやすい犬種なのです。
中でも顎や首の筋肉は全身のバランスをとる上でも非常に重要になってきます。そのため、フードの中でも総合栄養食と呼ばれるもっともバランスの良いドライドッグフードが推奨されているのです。
また、大型犬は食事量が多いので大量に長期保存可能なため、大型犬用にはドライドッグフードが多いようです。
そして大型犬用のフードは硬い物が多いです。それも、オヤツに至るまで硬いものが推奨されています。
コレは何故かといいますと、大型犬は先述のように労働犬として様々な場所で活躍していた歴史があります。
運搬犬や狩猟犬は、物を運ぶ際に歯を食いしばったり、あるいはダメージを与えた獲物を追い詰めるために噛み付いたりします。
そのため、顎や首の筋肉がすさまじく発達しており、またこれらによって全身の運動バランスを支えています。
ですので、顎や首を鍛えるために噛む力が鍛えられる硬いフードが、大型犬用のフードには多いのです。
これらを鍛えることも犬の健康を保ち、老犬になっても元気に走り回っているほどの運動能力を守る事に繋がるのです。
大型犬用、小型犬用と特徴はかなり違いますが、選ぶ際のもっとも注意すべき点は共通しています。
それは「高たんぱく」なフードを選ぶという点です。
小型犬の場合、先述のように消化機能が弱いです。そのため例えば穀物が多く含まれている物を与えてしまうとやはり消化できません。その上食物アレルギーを発症してしまう可能性まであります。
大型犬の場合も同じく穀物の消化は難しいのですが、それ以上にたんぱく質が吸収できないという点が非常に危険です。
犬の骨格、筋肉の成長に必要なのがたんぱく質です。特に大型犬はこれらがもっとも成長する犬種です。
ですのでたんぱく質の比率が少ないフードを与えていると成長が難しくなり、骨格や筋肉に障害が出てくる危険性もあるのです。
ですので、小型犬や大型犬のフードを選ぶ際は高たんぱくなフードを選ぶ必要があるのです。