ふやかす際にはお湯の量が重要です。 もし量が少なすぎると、水分の全てがフードに吸収されますが、芯が残った少し硬い状態になってしまいます。
この状態だと、老犬や子犬は少し食べづらいので避けてしまう傾向にあります。
また消化にも少し悪いので、フードをふやかすことが必要なほど弱っている犬に与えるのは避けた方が良いです。
逆にお湯が多すぎると、今度はフードがびちょびちょになってしまいます。
この状態だと水分量が多すぎるので、もし食べると下痢になってしまう恐れがあります。
実はお湯の量は定まっていません。 フードの種類などによって、異なってくるのです。
メーカーによっても硬さなどが違うため、飼い主が自分の目で見て判断する必要があります。 大変な作業ではありますが、例えば最初はお湯の量多めにして、フードを漬け込み、そして様子を見てフードの一粒をして潰してみるという方法が良いかと思います。
こうすることで、だいたいお湯にどのくらいの時間をつけるとちょうどいい柔らかさになるのかという目安を判断することができます。 お湯の量については、その後で徐々に減らしていくと良いでしょう。
ふやかす前に、一つの工程を入れることで作業が非常に楽になります。
おすすめなのが、フードを事前に砕いておくという方法です。
こうすることで、お湯に漬け込む時間を短縮することができます。
さらにフードが細かくなっているため、犬にとっても食べやすく、消化に良いのです。
ただし、砕きすぎてしまうと栄養素がお湯につけている時に抜けきってしまう可能性もあります。
ですので強く叩きつけ粉々にしてしまってはいけません。
あくまでも、フード一粒の形をを壊すということを意識して砕きましょう。
フードをふやかすまでにはだいたい15分から30分ほどかかります。
長くつければつけるほど、フードはふやけ柔らかくなりますが、犬の成長度合いによって柔らかさを整える必要があります。
まだ生後1ヶ月前後であれば、かなり柔らかくするために30分以上を漬け込んだ方が良いでしょう。
しかし生後6ヶ月を過ぎたあたりからはドライフード、つまり硬めのフードに慣れさせていく必要があります。
ですのでこの辺りからなるべく長くつけることのないよう心がけ、つける時間を短くしましょう。
生後6ヶ月後半を迎える頃には、お湯に漬け込む時間を数分程度に抑えた方が良いです。
ドライドッグフードは歯や顎を鍛えるという効果もあるので、ずっと柔らかいフードを与えるのは犬にとってもあまり良くないのです。
ふやかす際はお湯の温度を45度から50度までに調整しましょう。
45度より低いと、ふやかすのにかなり時間がかかってしまい、またふやかしている間に温度が低くなりすぎてしまうので、お腹を壊し下痢になる可能性があります。
ふやかしたフードが必要であるほど内臓機能が弱っている犬にとって、下痢になる事は最も避けなければいけません。
そして50度を過ぎると今度はドッグフードの中に含まれているビタミンが破壊されてしまうため、栄養素を損なってしまう可能性があります。
そして何より、犬にとって50度以上はかなり熱いので口内に火傷を負ってしまう恐れもあります。
ですので、ふやかす際のお湯は45度から50度の温度に保った方が良いのです。
そしてまだ生後1か月前後の子犬の場合は、母乳を使ってふやかすという方法があります。
生後1か月前であれば、母親の犬からまだお乳が出ます。
そのお乳を、お湯と混ぜてフードをふやかすのです。
生後1ヶ月前後は、食べる事について恐怖心がある子犬が多いです。
ですので、自分の母親のお乳の匂いをフードに加えてふやかすことで安心感を与えてあげるのです。
だいたい一か月半を過ぎると、ほとんどの子犬が、お乳がなくともお湯でふやかすだけで食べてくれるようになります。
しかしあくまでも個人差ですので、一ヶ月半を過ぎても、まだ食べないという場合にはもうしばらく母乳を使ってふやかしてあげましょう。