ドッグフードには、製造から消費されるまで栄養や品質が一定に保持されるように様々な添加物が加えられています。栄養分を強化したり、栄養価を高めたり、栄養バランスの取れたフードを提供するための栄養添加物、ドッグフードの品質を長く保つための抗酸化剤や保存料、食欲増進のための香料など、多くの添加物があります。
しかし、どんなものでもドッグフードに加えることができるというものではありません。ペットフード安全法で添加物の使用基準が定められており、業界団体であるペットフード協会では添加物に関する自主基準も設けられています。
一般的に、添加物はそれぞれの用途や使用量に制限があります。たとえ栄養目的の添加物でも使用量によっては毒物や劇物になるものもあります。
たとえば、プロビレングリコールは、セミモイストタイプのフードの保湿、制菌、カロリー源として使用されますが、犬に対しての影響は見られませんでしたが、猫には赤血球のハインツ小体の増加、赤血球数の変化などがみられたため、キャットフードに使用することは好ましくないとされています。
また、抗酸化剤として使用されているエトキシキンは、日本では食品添加物としても農薬としても認可されていない添加物です。
ただ、アメリカやイギリスなどでは食品添加物として使われており、船舶で輸送される魚粉の自然発火防止剤として使用することが国際規則で定められているため、残留基準を決めて飼料の添加物として認められています。
ドッグフードでは、BHTやBHAを含めて75ppmという自主規制の数値以内に抑えられています。アメリカのペットフード協会では、ドッグフード中のエトキシキン量が30〜60ppmの範囲で有効性を試験しているところです。
他の添加物についても長期に使用しても健康に影響を与える可能性が低い範囲での使用基準が設けられ、甘味料・着色料・保存料・酸化防止剤・増粘安定剤・発色剤などの用途を併記するようになっています。