痒がる、フケが出る、抜け毛、嘔吐・下痢などの症状があれば、まず動物病院を受診しましょう。他の病気かアレルギーによるものなのか、また、アレルギーであれば、その原因も検査で確認します。
アレルギーを起こす原因には、食品やノミ・ダニ、ハウスダストなどいろいろありますが、その内約40%が食品によるものです。しかも、普段食べているドッグフードに含まれる成分が原因となり、繰り返して起こしたり、長引かせると一生付き合わなければならなくなる可能性もあります。
食物アレルギーへの対処法は、症状を緩和する薬剤による治療と食事療法によります。食物アレルギーの検査の精度はそれほど高いものではなく、普段与えている食事についての飼い主の観察も重要です。
多くの場合、ドッグフードに含まれるタンパク質が原因となっています。牛や豚、鶏や、大豆や小麦・トウモロコシに含まれるわずかなタンパク質も原因になることがあります。
食事療法では、アレルゲンとなりにくいように細かい分子にまで分解されたタンパク源を使用した療法食、アレルゲンの可能性のある食材を含んでいないドッグフードや手作りの食事などで対応します。
療法食は長期にわたって使用した場合の影響が検証されておらず、添加物がアレルゲンとなっている場合は市販のドッグフードでは対応できませんので、手作りの食事が最も対応しやすいものです。犬は味覚が敏感ではありませんので、味付けの必要もなく、自然な食材の表面を殺菌する程度に軽くゆでるだけで十分です。アレルゲンではない肉や魚をメインの食材に使います。
炊いたご飯やゆでた芋などを加えると、食物繊維が腸内環境を整えてくれます。野菜類は消化が苦手で胃や腸の負担にもなりますので、よくゆでて、細かく刻んで少量を与える程度にしましょう。ゆで汁は与えませんので注意してください。
手作りの食事は、アレルゲンとなる可能性のある食材を含まず、添加物も一切使用しませんので安全性の高いものです。ただ、犬が必要とする栄養素を満たすことは難しいものです。短期間であればいいのですが、アレルギーの改善には時間がかかりますので、獣医師と相談の上、栄養バランスの取れた療法食との併用も考慮すべきでしょう。